メールマガジン放課後
小泉 周二
日本出版制作センター 刊
発売日 2005-12-15
オススメ度:★★★★★
盲目の国語教師の幸福論 2006-03-08
やはりブレイクのきっかけは、NHK課題曲「大すき」だったろう。これによって、それまでは、知るひとぞ知る存在だった著者が、詩集5冊を持ち3社の国語教科書に詩が掲載されている詩人として脚光を浴びるようになった。“盲目の国語教師”、“盲人マラソンへの参加”、“ギターの弾き語りによるコンサート”と、脚光を浴びる条件は十分だった。この時点で、詩人小泉周二の存在は広く公認されたといってよい。
本書は、その後の小泉周二の歩みを語った本。貴重なのは、著者の肉声が全編に溢れていること(時には方言も)。NHK課題曲「大すき」の詩人として“虚像”にのることも可能だったはず。しかし、“敢えて”というか“自ずと”というか、著者は“等身大の自分”を語りつづける道を選んだ。
“障害をもつ詩人”として美化しようとする世間。それに対して、詩人は、「できるなら/荷物は軽い方がいい」「重い荷物を背負って生きて/何が鍛えられるのだろう」(P270)と、冷静に答える。この一句に、“盲目の国語教師・小泉周二”の幸福論が示されていると感じた。やはり、周ちゃんのメールマガジンは面白いなあ。オススメの1冊だ。
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